研究課題
体内投与した放射性薬剤の放射能分布を画像化することができる陽電子断層撮影(PET)は、適した放射性薬剤を用いることにより臨床診断に貢献しているが、空間分解能が約6mmであるため、体内の構造がぼやけ画素値の定量性が失われる部分容積効果が観察される。この空間分解能を補うために、近年、MRIやCTといった他モダリティーとPET画像を重ねて表示する診断が主流になってきている。本研究は、PET脳神経受容体機能の臨床診断において、形態異常部位、形態異常はないが機能異常がみられる部位などを今まで以上に的確に診断するために、MRIによる解剖情報を積極的に導入し様々な脳機能(血流、糖代謝、受容体結合能など)を高精度に画像化することを目指している。本年度は、MRI画像の形態情報を用いてPET画像特性を向上させるためシステム構築を行った。特に、ウェーブレット変換にMRIなどの形態情報を組み込んで部分容積効果を補正する方法の提案を行い、画像処理システムの有用性を脳を模擬した数値シミュレーションによって実証を行った。この研究成果に関連して、国際学会Brain and BrainPET 09において、Neils Lassen Awardの4名のファイナリストの一人として表彰され、日本核医学会から第6回日本核医学会研究奨励賞を受賞した。
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