研究概要 |
マウスを用いた下肢虚血モデルを作成した。本研究の目的に応じ、2週間程度の虚血状態が維持できるモデルとした。具体的にはマウス左大腿部を切開し総大腿動脈-浅大腿動脈を切除し、術直後、1POD, 2PID, 3POD, 4POD, 5POD, 7POD, 14POD, 21PODでドップラー血流計を用い下肢の血流を健常側との比で算出した。大腿動脈切除部位を調整し14PODまで少なくとも健常側との比が0.5以下を保てるように調整した。また総モデル数のうち脱落肢となるものが5%以下となるようにも調整した。 次いでB.longum菌を嫌気的条件下で培養し、増殖曲線の作成を行った。プラスミドベクター(pBLES100:マーカー遺伝子としてスペクチノマイシン耐性遺伝子が組み込まれている)をエレクトロポーションでB.longum菌にトランスフェクトし遺伝子組み換えB.longum菌を作成した。これをスペクチノマイシン入り培地にて培養し、プラスミドベクターが導入されていることを確認した。この遺伝子組み換えB.longum菌を用いて増殖曲線を確認した。 次いでマウス下肢虚血モデルに静注し虚血部位での発育を確認した。具体的には1POD, 2PID, 3POD, 4POD, 5POD, 7POD, 14POD, 21PODで虚血肢の大腿部より筋組織を採取し、すりつぶしたうえで培地にまき、嫌気的条件下で培養を行い、菌の発育がないことを確認した。 同マウスの肺、肝、腎、心臓の摘出を行い、これらの組織においてはB.longum菌の発育がないことを確認し、B.longum菌の虚血部位における選択的発育を確認した。
|