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2010 年度 実績報告書

γδT細胞を用いた新しい免疫制御法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21791249
研究機関京都大学

研究代表者

吉澤 淳  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (60457984)

キーワード移植免疫 / 免疫寛容 / γδT細胞
研究概要

肝移植後のレシピエントにおける、肝内のVδ1γδ細胞の定量化のための抗体の作成を進めているが、肝内の組織染色が可能となる抗体の作成に至っていない。Vδ1γδT細胞の末梢血における染色の抗体は肝内の組織染色に適切でなかった。肝移植後、肝生検組織から、肝内に浸潤しているVδ1γδT細胞の分離を試みたが、生検組織から分離できるリンパ球はわずかであり、Vδ1γδT細胞は分離できなかった。肝生検組織からTCRのsequence解析を試みたが、条件設定が難しかった。肝生検組織から得られたRNAから直接Vδ1T細胞のTCRのsequence解析をおこなったが、末梢血と所見が異なり、末梢血と異なるoligoclonalityを示した。患者間でそのsequence配列が一致しないため、その意義は不明である。
新しい抗体を作成するために、Vδ1γδT細胞を培養増殖する系の確立を行った。δ1γδT細胞は増殖する条件によって、強い免疫抑制を示す制御性細胞の特徴を示す一方、perforinやIFN-γの分泌があり、killer T cellの特徴を有していた。この所見はこの研究計画の段階で推測していた細胞の特徴を有しており、今後の研究につながると考えている。現在は、その培養条件の再現性の確立を行っている。また制御性Vδ1γδT細胞のTCRのsequence解析では、移植後免疫寛容患者にみられたmonoclonality、oligoclonalityが認められていない。
移植後免疫寛容患者の末梢血中のVδ1γδT細胞のin-vitroでの培養を行っているが、増殖が悪く、培養条件のさらなる検討が必要であるが、培養が可能になればTCRのsequence解析を行いmonoclonalityの証明が容易になると考えられる。
γδT細胞がB細胞の活性を抑えるとの報告があったことと、免疫寛容患者の末梢血中のB細胞の増加とVδ1T細胞の増加に相関がみられたため、移植後のB細胞の活性とVδ1γδT細胞の活性の関係について検討中であるが、その相関は今回の研究では明らかにならなかった。

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公開日: 2012-07-19  

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