研究課題
我々のこれまでの基礎研究により、インフルエンザの特異抗原であるFlu peptideを用いたin vitroでのCTL誘導において、CpG-AやCpG-CがCpG-Bよりも優れたアジュバントである可能性が示唆された。この研究を発展させ、癌抗原においても健常人末梢血からの特異的CTL誘導において同様のアジュバント効果を示すことを証明した。癌抗原は新規食道扁平上皮癌特異的癌抗原URLC10に対するエピトープペプチドを用いた。CpG-Aを添加した場合に限りURLC10特異的CTLが誘導され、CpG-Aが癌抗原に対しても優れたCTL誘導能をもつことが明らかとなった。このCpGのCTL誘導能はPDCのdepletionにより消失し、PDC依存性であることが明らかとなった。Precurcer CTLのpopulationに関してはFACSによるtetramer assayを用いCpGによるprecurcer CTLのproliferationについて検討した。CpG-Aの添加によりprecurcer CTLのpopulationは10倍以上に増加した。次に、これらのアジュバント効果のメカニズム解析のため、誘導されたCTLをCCR7およびCD45ROの抗体を用いてFACSし、effecter細胞およびmemory細胞のpopulationを解析した。CpG添加により誘導されたCTLはeffector-memoryのpopulationが増加していた。さらに、限界希釈法を用いてCTLcloneを誘導した。現在、このCTLcloneを用いてCpGのCTLcloneに対する効果を検討中である。さらに、CpGによって誘導されるサイトカインの中和抗体を用いて同様の実験を行い、CpG-ODNがこれらの獲得免疫細胞を活性化させるメカニズムを明らかにするべく検討中である。(786文字)
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