研究概要 |
本研究の最終目標は、我々が明らかにしてきたCpG-ODNのアジュバントとしての可能性をさらに発展させ、CpG-ODNのアジュバント効果作用機序を解明し、食道癌患者において最も優れたCpG-ODN typeを選択して臨床応用することである。そこで、ヒト癌細胞に対するペプチドワクチン療法における至適なCpG-ODN type (CpG-A, CpG-B, CpG-Cのいずれか)を決定し、さらにそのCpG-ODNがアジュバント効果をもたらすメカニズムをヒトin vitroの系で解析することとした。我々は、今年度科研費を用いた研究実績として以下のことを明らかにした。 1.Fluペプチド特異的CTLの誘導において、CpG-ODNの添加によりEffector細胞の細胞障害活性はCpG-A>C>Bの順でPDC依存性に増強した。 2.URLC10ペプチド特異的CTLの誘導において、CpG-Aの添加によりEffector細胞の細胞障害活性はPDC依存性に増強した。 3.CpG-ODNの刺激により、食道癌患者PBMC中のURLC10特異的CTL前駆体細胞頻度は増加した。 4.CpG-ODN刺激PBMC上清およびIFN-αはCTL cloneを直接活性化し、細胞障害活性を増強した。 従って、ヒトin vitroにおけるURLC10のエピトープペプチドを用いた特異的CTLの誘導において、CpG-ODNはPDCを介したIFN-αの産生により強力なCTLを誘導・活性化するアジュバント効果を認めることが明らかとなった。
|