研究概要 |
予後不良の乳癌の克服を目的として悪性化形質発現に関わる受容体群に焦点を当て、ユビキチン依存性輸送系によるトリプルネガティブ乳がん制御を明らかにするためin vitro, in vivo両面から解析を加える。ドキシサイクリン(Dox)誘導性乳癌細胞株(MCF7-rTTA)を構築したため、同細胞に発現ベクターを安定に組み込むことにより、Dox依存性に輸送系蛋白を発現またはノックダウンすることが可能である。レトロウイルスベクター(pRetroX-rTTA)によってESCRT蛋白のうち不活性型VPS4Bをドキシサイクリン依存性に発現する細胞株の樹立に成功した。ドキシサイクリン添加によって細胞形態、増殖能を検討したところ顕著な異常を認めなかった。また、ErbB3の発現についても顕著な差異はなかった。今後、アポトーシス、細胞運動、浸潤能を検討するとともに、E-Cadherinに着目したEMTの解析を行う。
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