研究概要 |
1.iPS細胞技術を応用した胃癌細胞及び初代培養細胞のinduced Reprograming cell(iRC)の樹立 ヒト胃癌細胞株(MKN28,MKN45)及びヒト胃癌初代培養細胞(MK7313,MK8213)、コントロールとしてヒト繊維牙細胞(HDF)に山中4因子を導入しiPS細胞化を試みた。経過観察の結果、胃癌細胞はフィーダー細胞(マイトマイシン処理を施したマウス繊維牙細胞)上ではiPS/ES-like colony formationがHDFに比べ困難である傾向が示唆された。 2.アルカリフォスファターゼ活性の評価 iPS化を試みた各細胞についてアルカリフォスファターゼ活性を検証した結果、MKN28及びMK7313由来のiRCコロニーにおいて陽性を示すことが示唆された。この結果より、山中4因子の導入により成熟状態にあった癌細胞がリプログラミングされている傾向が示唆された。 3.iRC樹立における培養条件の検討 フィーダー細胞の代わりにMatrigelを使用した場合においてもiPS細胞を樹立できるとの報告がある。われわれは、この報告を踏まえ、Matrigelを使用し、山中4因子の導入後、経過観察の行った結果、フィーダー細胞上での培養に比べ、iPS/ES-like colony formationが容易であることが示唆された。
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