肺移植治療における克服すべき問題点のひとつにドナー肺不足が挙げられ、その解消の一手段として心停止(DCD)ドナー肺移植が世界的に始まっている。一方、DCDドナー肺を使用して安全かつ有効な肺移植治療を行うためにはドナーの臨床状況に応じた肺障害評価が必要不可欠である。 本研究では、心停止ドナーを心停止導入条件の違いにより検討することにより、臨床的背景に応じたドナー肺の評価と利用を促進することを目的としている。平成22年度はラット体外循環モデルでの生理学的機能評価の病態生理学的機序解明のため、これらの再灌流評価後のラット肺組織を用いて肺組織内高エネルギーリン酸化合物、病理所見、RT-PCRによるmRNA発現の評価を行った。
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