5心房領域、計35箇所の心臓神経叢(GP)に対して高頻度刺激を加えたところ、房室ブロックを主とする迷走神経反射を誘発するactive GPは右肺静脈、左肺静脈、左房天井、下位左房にみとめたが、この中でも右肺静脈に最も多くの分布をみとめた。これらactive GPは心外膜面からの焼灼によりほとんどが電気生理学的にも除神経が得られ、心内膜面での焼灼は不要であり、かつ心内膜面でのactive GPの局在は明らかとならなかった。各activeGPを個々に焼灼しながらその他の迷走神経反射の残存、消失を確認する連続刺激焼灼方法を用いたところ、active GPネットワークの存在が明らかとなった。このネットワークは房室結節を中心とする副交感神経ネットワークであり、一個体に複数存在するactive GPの中でも下位左房のGPが最も優位なdominant GPであることがわかった。又、同一領域内では心房の内側かつ頭側、尾側にネットワークの中枢が局在することが明らかとなった。
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