平成21年度の研究では、免疫組織学的手法により肺癌幹細胞の局在を検討したが、非小細胞肺癌のCD133陽性率は非常に低かった。しかし、その後のソーティングによるCD133陽性細胞の検出では、平均9.1%であった。次に、Side population(SP)細胞による検討を行った。平成22年度の研究では、SP細胞と非SP細胞との遺伝子背景の比較を行ったが、ソートされる細胞数が少なかった。肺全体での発癌率に局在があると仮定し、その検討を行ったが、特に多発肺癌では右上葉に有意に発癌率が高く、癌幹細胞の偏りが存在することが示唆された。また、特定の遺伝子がこの現象に関与する可能性が示された。
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