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2010 年度 実績報告書

レーザースペックル血流計を用いた脳虚血巣周辺領域の血流変化イメージング

研究課題

研究課題/領域番号 21791357
研究機関大阪大学

研究代表者

中村 元  大阪大学, 医学部附属病院, 特任助教(常勤) (80533794)

キーワード脳虚血 / 局所脳血流 / レーザースペックル脳表血流計 / ラット / cortical spreading depression / peri-infarct depolarization
研究概要

本研究では、脳梗塞発症後超急性期の脳表血流変化を観察すべく、新しい脳表血流モニタリング装置であるレーザースペックル血流計(以下LSF)を導入した。また、脳梗塞発症前~発症後3時間という超急性期の観察を行うために『遠隔的中大脳動脈閉塞モデル』を使用した。具体的には、雄性Wisterラットの左内頸動脈にPE50カニューレを留置し、LSFによる左大脳半球脳表血流の連続モニタリング下に約300μmのビーズを注入し、脳梗塞を発症させた。本実験系により以下の2つの現象が明瞭に描出された。
1.LSFによりビーズ注入後の脳虚血巣発生がリアルタイムに確認でき、閉塞血管の違いにより2パターンの虚血巣が作成された(7例中6例はMCA閉塞による脳梗塞が、1例は前大脳動脈(ACA)閉塞による梗塞が作成された)。本手法により脳梗塞モデルの定番ともいえるMCA閉塞のみならずACA閉塞も可能であることが示された。
2.発症直後より多数の虚血巣周辺部の脱分極波(peri-infarct depolarization:PID)の発生が描出された(5分に1イベント程度の頻度でPID発生が認められた)。特筆すべきは、LSFによりPID伝播様式も可視化できたことで、これまで信じられてきた『放射状伝播』ではなく、虚血巣周辺に沿うように伝播する『接線方向の伝播』が大多数を占めていた。接線方向に伝播するPIDは虚血中心部に沿いペナンブラ体に伝播するため、脳梗塞二次性増大の一因になっている可能性が示唆された。
以上のように、LSFを用いることでMRI、PETなどの従来の検査では検知不可能であった『虚血巣周辺部におけるPID伝播』の可視化が可能となったが、今後は『PID伝播と脳梗塞拡大の関連性』についてさらなる研究を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新しい術中血流情報モニタリング~レーザースペックル脳表血流計(LSF)の臨床応用~2010

    • 著者名/発表者名
      中村元
    • 学会等名
      日本脳神経外科学会 第69回学術総会
    • 発表場所
      福岡コンベンションセンター福岡国際会議場
    • 年月日
      2010-10-29

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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