本年度はHER-2特異的Affibodyによる培養細胞におけるHER-2のMRIによる画像化を主にin vitroの実験系において検証した。HER-2陽性である卵巣癌細胞株である、SKOV-3細胞をHFR-2特異的biotine化Affibodyに暴露し、その後avidin-biotine反応を用いてavidin化super paramagnetic iron oxide(SPIO)と反応させるとMRIのT2強調画像において著しいlow intensity signalを認めた。これは細胞膜上にHER-2ならびにaffibodyを介してSPIO(超磁性体)が沈着したため、T2緩和時間が著名に短縮したことによると考えられた。この現象はHER-2陰性細胞であるラットC6細部、ならびにavidine化されていないaffibodyで予めSKOV-3を処理し、HER-2をマスクした状態では観察されない現象であった。これらの結果よりこれによりHER-2特異的biotine化Affibodyならびにavidin化super paramagnetic iron oxide(SPIO)によるMRIでの信号強度の変化は細胞でのHER-2露出量依存的であることが示された。AffibodyによりHER-2のMRIによる画像化がin vitroで可能であることが証明された。また、これらの結果は先行しているPETでのAffibodyによる分子イメージングと似通った結果となっており、MRIでの応用も十分に可能であることが示された。
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