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2009 年度 実績報告書

抗腫瘍剤で誘発するDNAトポイソメラーゼの選択分解におけるSUMO修飾の役割

研究課題

研究課題/領域番号 21791362
研究機関岡山大学

研究代表者

佐野 訓明  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00294405)

キーワードDNAトポイソメラーゼII / DNA topoisomerase II / 抗がん剤 / ICRF-193 / タンパク質分解 / SUMO化 / ユビキチン化 / プロテアソーム
研究概要

我々はDNAトポイソメラーゼII(トポII)の機能解析を行っている過程で,トポIIを標的とする複数の阻害剤がトポIIβの選択的な分解を引き起こす事を見いだした.トポIIの阻害剤は抗腫瘍剤として用いられており,その感受性はトポIIの量と相関があり,トポIIβの分解機構の解明は臨床的にも重要だと考えられる.本研究課題では,エトポシド(VP-16)とICRF-193を用い,両薬剤によるトポIIβの分解過程の違いに注目し,その分子機構を明らかにする事を目指す.特に,これまで明らかにしてきたSUMO修飾の知見を発展させて,この機構における役割を明らかにする.ICRF-193によって活性を阻害されたトポIIβはクロマチンにクランピングし、その後分解されるが、トポIIαは同じくクランプを形成するにもかかわらず分解されない。この違いは両者の構造や作用している時期・局在などに因ると考えられる。トポIIβは分解に先立ってSUMO-2/3によって修飾される事が判っている。SUMO化のE2であるUbc9が発現していない変異細胞をもちいた解析から、この分解過程にはSUMOによる架橋反応が初期シグナルとして必須であった。トポIIβのアミノ酸配列からSUMO化部位(φKXE)を探し、リジン残基をアルギニンに置換した変異型トポIIβを構築した。この変異型トポIIβでは、最初に起こる修飾が阻害され同時に分解も抑制された。免疫沈降ーウェスタンやマススペクトル解析から、このリジン残基の修飾はSUMO-2/3による事が明らかとなった。これまでに、この修飾はクロマチンにクランプしている時に起きる事、それだけではクロマチンからリリースされない事が示唆されている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] DNAトポイソメラーゼIIβによる神経関連遺伝子の発現制御2009

    • 著者名/発表者名
      筒井研
    • 雑誌名

      タンパク質核酸酵素 54

      ページ: 1333-1343

  • [雑誌論文] DNAトポイソメラーゼIIβによる神経関連遺伝子の活性化機構2009

    • 著者名/発表者名
      佐野訓明
    • 雑誌名

      岡山医学会雑誌 121

      ページ: 143-147

  • [学会発表] LA遺伝子の活性化機構と精神疾患2009

    • 著者名/発表者名
      筒井公子
    • 学会等名
      日本解剖学会 第64回中国四国支部学術集会
    • 発表場所
      高知
    • 年月日
      2009-10-24
  • [学会発表] Dnase I-定量PCR法による細胞分化に伴うクロマチン構造変化の解析2009

    • 著者名/発表者名
      佐野訓明
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] DNAトポイソメラーゼIiβによる神経関連遺伝子の発現制御2009

    • 著者名/発表者名
      佐野訓明
    • 学会等名
      第32回日本神経科学会大会(Neuro2009)
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-09-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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