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2010 年度 実績報告書

抗腫瘍剤で誘発するDNAトポイソメラーゼの選択分解におけるSUMO修飾の役割

研究課題

研究課題/領域番号 21791362
研究機関岡山大学

研究代表者

佐野 訓明  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00294405)

キーワードDNA topoisomerase / DNAトポイソメラーゼ / 抗がん剤 / SUMO / タンパク質分解 / ICRF-193 / エトポシド / プロテアソーム
研究概要

我々はDNAトポイソメラーゼII(トポII)の機能解析を行っている過程で,トポIIを標的とする複数の阻害剤がトポIIβの選択的な分解を引き起こす事を見いだした。トポIIの阻害剤は抗腫瘍剤として用いられており,その感受性はトポIIの発現量と相関があり,トポIIβの分解機構の解明は臨床的にも重要だと考えられる。本研究課題では,エトポシド(VP-16)とICRF-193を用い,両薬剤によるトポIIβの分解過程の違いに注目し,その分子機構の解明を試みた。特に,トポIIβ分解機構におけるSUMO修飾の役割に注目して解析をおこなった。
ICRF-193によって活性を阻害されたトポIIβはクロマチンにクランピングし,その後分解されるが,トポIIαは同じくクランプを形成するにもかかわらず分解されない。この違いは両者の構造や作用している時期・局在などに因ると考えられる。トポIIβは分解に先立ってSUMO-2/3により修飾される事が判っている。SUMO化のE2であるUbc9が発現していない変異細胞をもちいた解析から,この分解過程にはSUMOによる架橋反応が初期シグナルとして必須であった。トポIIβのアミノ酸配列からSUMO化部位(ψKXE)を探し,リジン残基をアルギニンに置換した変異型トポIIβを構築した。この変異型トポIIβでは,最初に起こる修飾が阻害され同時に分解も抑制された。免疫沈降-ウェスタンブロットやマススペクトル解析から,このリジン残基の修飾はSUMO-2/3による事が明らかとなった。この修飾はクロマチンにクランプしている時に起き,それだけではクロマチンからリリースされなかった。このSUMO化部位はトポIIβのみに存在しトポIIαには認められない事から,トポIIαとβのクランプ形成後の処理のされ方の違いをもたらしているのはSUMOによる修飾の有無であると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Nuclear protein LEDGF/p75 recognizes supercoiled DNA by a novel DNA-binding domain2011

    • 著者名/発表者名
      筒井公子
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research

    • 査読あり
  • [学会発表] DNAトポイソメラーゼIIβの神経関連遺伝子へのターゲット機構2010

    • 著者名/発表者名
      宮地まり
    • 学会等名
      BMB2010(第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会)
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] DNAトポイソメラーゼIIβの核内における移動メカニズム2010

    • 著者名/発表者名
      小野田彰久
    • 学会等名
      BMB2010(第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会)
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] DNAトポイソメラーゼIIβの遠位通過部位マッピング法(eTIP-HiC)の開発2010

    • 著者名/発表者名
      古田良平
    • 学会等名
      BMB2010(第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会)
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-12-07
  • [学会発表] 酸化型/還元型グルタチオンによるII型DNAトポイソメラーゼ活性の制御2010

    • 著者名/発表者名
      大西康博
    • 学会等名
      BMB2010(第33回日本分子生物学会年会・第83回日本生化学会大会合同大会)
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-12-07
  • [備考]

    • URL

      http://nbgp.med.okayama-u.ac.jp

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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