研究概要 |
本研究では、64手術例から運動誘発電位(MEP)のデータを収集した(経頭蓋刺激(TCS):29例,皮質直接刺激(DCS):35例)。刺激強度を閾値レベルから200mAまで上昇させても、潜時の"jump"は認められないことから、潜時がプラトーに達した後の被刺激部位はほぼ不変と考えられた。TCSとDCSとでは、最大刺激での立ち上がり潜時に殆ど差はなく、被刺激部位はほぼ同じと判断された。200mAを用いたTCSでも、刺激と同側よりも対側で得られるMEPの振幅のほうが遥かに大きいものであり、これは刺激が脳幹でなく大脳半球のレベルで皮質脊髄路を刺激しているためと考えられた。術中MEPに有意な変化を認めた2例では、術後に麻痺を認めた。両症例の病変が基底核近傍にあることを考慮すると、TESが病変部位より中枢側を刺激していると考えられる。TCS-MEPの刺激強度としては、200mA以下で、MEPの最大振幅を得られる強度が、false-negativeを減らすうえで望ましいと思われた。
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