研究概要 |
スタチンは脂質の低下作用があり,高脂血症の治療薬として用いられているが,その他にも内皮細胞保護効果などの効果がある.血液脳関門(Blood-brain barrier;BBB)in vitroモデルを用いてスタチンのBBBの効果について検討した.2週令Wistarラットおよび高血圧ラットより脳毛細血管内皮細胞を分離し,Transwellに培養することにより,BBB in vitroモデルを作成した.Transendothelial electrical resistance(TEER)を測定した.sodium fluoresceinおよびEvans blue albuminの透過性を測定した.内皮細胞は敷石状となりBBBの特徴であるclaudin-5,occludin,ZO-1などのtight junction蛋白を発現していた.また,Scavenger receptorを発現し,標識されたLDLは細胞内に取込まれた.スタチンの投与ではTEERは有意に上昇し,claudin-5が強く発現していた.tPAは脳毛細血管内内皮細胞に対して傷害性に作用し,脳梗塞の2次性増悪に関与し,スタチンは脳毛細血管内内皮細胞にclaudin-5の発現を亢進させ,バリア機能を高めることが明らかになった. 硬膜動静脈における脳浮腫についても検討し,適切に治療することで多くは改善することを第25回日本脳神経血管内治療学会総会において発表した.
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