当施設の日宇らがcell mol neurobiol 2008に、独自に開発したラット脳より分離した脳毛細血管内皮細胞を培養したBBB in vitroモデルでtPA投与を行い、非虚血下で血液脳関門(blood brain barrier:BBB)のtranscellular transportを増加させ、虚血再灌流下ではtranscellularとparacellular双方のtransportを増加させ、BBB機能障害が惹起されうることを報告した。また当施設の諸藤らがcell mol neurobiol 2010に、BBB in vitroモテルで高脂血症治療薬(HMG-CoA遠元酵素阻害剤)であるピタバスタチン投与がBBB機能を強化することを報告した。これまでtPAにピタバスタチンを組み合わせた場合にBBBに与える影響の程度やその作用機序について検討した報告は皆無であり、BBB in vitroモデルを用い、tPA投与する場合にピタバスタチンがBBBに与える影響及びその作用機序について研究を行っている。ラット脳より分離した脳毛細血管内皮細胞、ペリサイト及びアストロサイトを用いてBBB in vitroモデルを作成し、tPA及びピタバスタチンのBBBへの影響を検討する。その評価は経内皮細胞電気抵抗(Transendothelial electrical resistance;TEER)値測定及び透過性試験、免疫染色・Western Blottingでのtight junction proteinの発現、遺伝子発現を比較する予定であり、現在研究を継続している。
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