研究概要 |
研究目的:脳腫瘍幹細胞のcell line作成ならびに正常脳幹細胞との比較検討 脳腫瘍幹細胞のcell line形成は非常に困難であり,これまでにcell lineの形成にはいたっていない.これまでmonoclonal single cell culture法によるcell line形成を試みてきた.Cell line形成にいたっていない原因としては,細胞の脆弱性,腫瘍組織(細胞)内における幹細胞の割合の低さなどの問題が考えられる. これまで我々は,正常脳組織からの幹細胞培養に成功してきた.しかし,正常脳組織(細胞)では、幹細胞以外の細胞の自己複製能(細胞分裂能)が低く,幹細胞にのみ強い分裂能があることから,分離,培養が理論的に比較的容易と考えられるのに対して,Glioblastoma細胞はその腫瘍細胞自体の分裂能が高く,正常脳からの幹細胞分離よりも培養が困難である可能性が高い. 培養条件,cell sorting方法のさらなる改良が必要と考えられた. 正常骨髄幹細胞の長期培養の結果奇形腫の出現が認められた。脳腫瘍幹細胞の長期培養条件による変化などについても検討を加えたいと考える.
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