神経幹細胞と腫瘍幹細胞の比較実験において、腫瘍幹細胞の増殖力が神経幹細胞に対して、非常に弱いことが判明した。また、分離培養する際の条件も、神経幹細胞と同様のものでは、まわりの腫瘍細胞(非神経幹細胞)の影響と思われる、培養の困難性があることが判明した。腫瘍幹細胞に特異的と考えられているCD133陽性細胞の培養に成功し、その細胞がneuron系、glia系、oligodendroglia系の3系統に分化誘導することが可能であった。 CD133陽性細胞が長寿遺伝子として知られるSIRT1遺伝子を発現していることが判明した。今後、脳腫瘍幹細胞におけるSIRT1遺伝子の発現量の相違を検索することにより、その細胞内における動態について検討する。
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