研究概要 |
[研究の目的]急性期の内在性神経幹細胞の虚血応答 虚血後には、前脳室下帯に存在する神経幹細胞が増殖応答することは知られているものの、その時間経過に関しては不明な点が多い。そこで、上記全脳虚血後に48時間のBrdU腹腔内投与により増殖細胞のpulse labelingを行い、虚血後14日までの増殖応答プロファイルを解析する。本実験は、後の成長因子投与の時期と期間を設定するためには必須の実験となる。またBrdUにて標識された細胞が真に増殖細胞であるか否かの検討のため、MCM2などの増殖細胞マーカーとの2重染色を行う。太らに、これらが神経幹・前駆細胞であるか否かの検討のため、幹細胞・前駆細胞で発現するNestin, Mash1, Pax6との2重染色を行う。線状体では、発生学的にHomeobox遺伝子の一つであるNkx2. 1, Gsh2が発現するとされており、これらの発現も検討する。 [結果及び考察] 個体モデルの安定化が増殖応答のための解析の1st stepであり、全脳虚血モデルの作成とともに実際の臨床における脳梗塞の主因である中大脳動脈局所閉塞モデルの作成を中心とした研究を行った。特に中大脳動脈局所閉塞モデルは個体系統によっても虚血体積が不安定であり、wister, SD, SHR ratを用いてそれぞれの虚血モデルを作成した。脳血管内閉塞モデルとともに血管外閉塞モデルを作成し脳梗塞モデルの解析を行った。本研究において比較的安定した虚血モデルが作成可能となった。これらの予備実験をもとに様々な成長因子を投与し増殖応答プロファイルの解析を図る予定である。
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