研究概要 |
【平成21年度の研究目的】本研究では、脊髄損傷モデルマウスに対するES細胞由来の神経幹細胞と骨髄間質細胞の共移植による運動機能改善効果を検討する。骨髄間質細胞は、GDNF(glial cell line derived neurotrophic factor), BDNF(brain derived neurotrophic factor), NGF(nerve growth factor)などの神経栄養因子を分泌することにより、その神経保護作用を発揮するため、ES細胞由来神経幹細胞移植と組み合わせることは、さらなる機能改善を期待できる。【研究方法,成果】平成21年度は、(1)6-8週齢C57BL/6マウスの大腿骨より骨髄間質細胞(BMSC)の分離、培養、BrdUでの標識をおこなった。(2)また、遺伝子導入によりGFP蛍光で標識されている未分化ES細胞をLIF無添加培養液にて4日間hanging drop培養して胚様体を作製し、その胚様体を無血清下に、神経系分化選択性が高いITSFn培養液にて6日間付着培養し、その後FGF2を添加してnestin陽性の高純度な神経幹細胞集団を調整した。(3)10-12週C57BL/6マウスをpentobarbitalの腹腔内投与にて麻酔し、Th9-10の2椎間の椎弓切除を行い、その後The Pneumatic impactorを用いて脊髄圧挫傷を作成した。(4)それぞれ調整したES細胞由来神経幹細胞(ES-NSC)および骨髄間質細胞の移植実験をおこなった。移植細胞によりGroup1:PBS投与群、Group2:ES-NSC移植群、Group3:BMSC群、Group4:ES-NSC&BMSC共移植群にわけ、それぞれに行動評価をおこなった。
|