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2009 年度 実績報告書

滑膜肉腫幹細胞の同定・解析と新規分子標的治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 21791383
研究機関北海道大学

研究代表者

木村 太一  北海道大学, 大学院・医学研究科, 博士研究員 (90435959)

キーワード滑膜肉腫 / 腫瘍幹細胞 / Side population / Sphere culture
研究概要

滑膜肉腫幹細胞を分離・濃縮するために、滑膜肉腫細胞株におけるSide population(SP)の存在率をFACS解析により検討した。その結果、3つの独立な滑膜肉腫細胞株の中で最も存在率が高いものでもSPは全体の約0.01%以下と極めて少なく、分離・濃縮し幹細胞性の有無に関して検討を行うことは技術的に困難であった。そのためもう一つの濃縮法である低血清・低接着条件によるsphere形成法を用いて滑膜肉腫幹細胞の分離・濃縮を試みた。最初に前述の3つの滑膜肉腫細胞株を用いて、血清、培地、初期細胞数、培養日数等の種々の条件の最適化を行った。幹細胞性の有無の指標として、Oct3, Nanog, Sox2等の幹細胞性の維持にかかわる遺伝子群の発現量を半定量的RT-PCR法により確認した。
次に最適化されたsphere cultureの条件下で培養した細胞を、通常条件で培養した細胞株をコントロールとしてNOD/SCIDマウスの皮下に移植し腫瘍形成能の検討を行った。その結果形成された腫瘍はsphere culture群で有意にサイズの増大が見られた。
またSphereとnon-sphereからそれぞれtotal RNAを抽出しgene expression profileの比較解析を行った。その結果、幹細胞マーカー候補となりうる表面抗原、幹細胞性の維持に関与する可能性のある転写因子を複数同定した。
ここまでの研究で、我々は初めて滑膜肉腫細胞株において腫瘍幹細胞様の性質を有する細胞群を分離・濃縮する事に成功し、滑膜肉腫幹細胞マーカー、幹細胞性の維持に関わる候補遺伝子群の同定にも成功した。このことは滑膜肉腫における新規治療標的を探索する上で極めて重要な発見であると考える。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Human synovial sarcoma proto-onocogene Syt is essential for early embrvonic development through the regulation of cell migration2009

    • 著者名/発表者名
      Kimura, T.
    • 雑誌名

      Lab.Invest. 89

      ページ: 645-656

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Colonic metastasis from primary carcinoma of the lung : report of case and review of Japanese literature2009

    • 著者名/発表者名
      Ono, H.
    • 雑誌名

      Clin.J.Gastroenterol 2

      ページ: 89-95

    • 査読あり
  • [学会発表] Quantitative Proteome Analysis in Transformed Astrocyte Cells using Spectral Counting and SILAC Methods2009

    • 著者名/発表者名
      Kiyonaga Fujii
    • 学会等名
      Pennsylvanvia Convention Center
    • 発表場所
      フィラデルフィア Philadelphia, Pennsylvania, USA
    • 年月日
      2009-05-31
  • [学会発表] グリオーマにおける Olig2 発現制御機構と機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      野田頭未歩
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京都 国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-05-01
  • [学会発表] hCG産生大腸癌の分子病理学的検討2009

    • 著者名/発表者名
      吉永智彰
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京都 国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-05-01
  • [学会発表] Clostridium 属によるガス壊疽により死亡した2剖検例2009

    • 著者名/発表者名
      石川麻倫
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京都 国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-05-01
  • [学会発表] 間質性肺炎の経過中、急性に呼吸不全が悪化し死亡された11剖検例の検討2009

    • 著者名/発表者名
      谷野美智枝
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京都 国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-05-01
  • [学会発表] 滑膜肉腫細胞株におけるCD133の機能解析2009

    • 著者名/発表者名
      木村太一
    • 学会等名
      第98回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京都 国立京都国際会館
    • 年月日
      2009-05-01

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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