研究課題
骨形成因子(BMP)は骨芽細胞分化過程で重要な役割を果たし、適切なシグナルレベルを維持するためにそのシグナル効果は負に制御される。しかしながら、骨芽細胞分化過程におけるBMP阻害因子によるシグナル制御のメカニズムは完全には理解されていない。Dullardは、主にカベオソームに局在する脱リン酸化酵素コードするBMPシグナル阻害分子であるが、その骨形成における役割については不明である。Dullardが骨芽細胞において、BMPシグナル伝達をどのレベルで機能するかを詳細に検討した結果、予想外にも、Dullardが恒常活性型BMPRla(caALK3)の活性を脱リン酸化酵素活性非依存的に抑制する事を見いだした。さらに、Dullardは、C末端リン酸化を模倣する恒常活性型SMAD1-EVE、及びリンカー領域のMAPKリン酸化部位が変異した、さらに強力なSMAD1-EVE-MMの活性も脱リン酸化酵素活性非依存的に抑制した。一方、DullardはTGF-β処理及び恒常活性型TGFβR1によるレポーターの活性化も脱リン酸化酵素活性非依存的に抑制した。BMP誘導による骨芽細胞分化に関しては、siRNAによるDullardノックダウンは、Alkaline phosphatase(ALP)活性及びId3,Osterix,osteocalcin,ALP遺伝子発現を減少させた。Dullardは、BMP受容体の分解の調節因子として以前報告されたが、I型受容体/SMADの下流で、脱リン酸化酵素活性比依存的に、BMP/TGF-βシグナル伝達の多能的な抑制因子としてより広範囲な役割を持つことが示唆された。
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