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2009 年度 実績報告書

リン代謝および骨形成・維持における糖転移酵素GALNT3の機能解明

研究課題

研究課題/領域番号 21791404
研究機関長崎大学

研究代表者

吉田 カロリナアンドレア  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50437828)

キーワードGalnt3 / 骨格 / 骨代謝
研究概要

研究背景・目的:Galnt3(ボリペプチドN-アセチルガラクトサミン転移酵素3)は、蛋白質のセリンとトレオニンのアミノ酸残基にGalNAcを付加し、ムチン型糖鎖を形成する。GALNT3は、近位尿細管においてリンの再吸収を抑制するFGF23に糖鎖を付加、その蛋白切断による不活化を阻害し、活性型FGF23の分泌に重要な働きをする。従ってGALNT3酵素活性の低下はFGF23の切断、不活化が促進し、骨ハイパーオストシス高リン血症ならびに軟組織における異所性のカルシウム沈着を引き起こす。そこで本研究ではGalnt3遺伝子欠損(Galnt3-/-)マウスの解析を通し、ヒト高リン血症及び家族性腫瘍状石灰症及び骨格維持におけるGALNT3の機能を明らかにする事を目的とした。
研究成果
1-Galnt3-/-マウスは高リン血症の患者と相似したフェノタイプを示し、野生型マウスに比べて血清中のカルシウムは同量、リンは高濃度であり、FGF23は野生型マウスに比べて減少していた。また異所性石灰化は高齢Galnt3-/-マウスの眼球回の皮膚に孤発的に現れた。これらはFGF23によるリン代謝調節にGALNT3が関与する事が確認できた。
2-骨格におけるGALNT3の機能評価
(1)8週齢と17週齢の成獣マウスから大腿骨を摘出し、μCT解析した結果Galnt3-/-マウスは野生型マウスに対して骨量、海綿骨数が増床していることが分かった。
(2)8週齢と17週齢のGalnt3-/-マウスの血清中Trap5b濃度を測定し、野生型マウスに対して同量であった事により、破骨細胞の機能は正常であることが分かった。
(3) 骨格組織学解析:野生型マウスに比べてGalnt3-/-マウスの骨組織では、
-海面骨内に軟骨組織が多く残存していた。(HE&プロテオグリカン検出用サフラニン0染色にて)。
-骨芽細胞分化ステージのマーカーであるCollal、Sppl、BSP、Bglap2の発現は同様であった。(mRNA situ hybridizationにて)3-生殖器におけるGalnt3-/-マウスの表現系
Galnt3-/-雄マウスのみが不妊状態を示し、精巣の組織解析によりGalnt3-/-マウスでは精子の分化が阻害され、アポプトーシスが誘導される事が分かった。(HE&Tunel染色にて)。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Akt regulates skeletal development through GSK3, mTOR, and FoxOs.2009

    • 著者名/発表者名
      S.Rokutanda
    • 雑誌名

      Dev Biol 328

      ページ: 78-93

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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