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2009 年度 実績報告書

モルヒネ耐性形成後のα2受容体作動薬による鎮痛作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21791441
研究機関新潟大学

研究代表者

石井 秀明  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (60529775)

キーワード疼痛管理学 / 神経因性疼痛 / オピオイド耐性
研究概要

オピオイド耐性形成後の痛覚伝達機構の変化について、詳細は不明のままである。α2受容体作動薬とμ受容体作動薬のpost-receptor mechanismの共通性が、オピオイド耐性後の鎮痛機序に関与するのではないかという着想のもと、α2受容体作動薬によるオピオイド耐性抑制の可能性を明らかにする。まず、細胞内情報伝達系の詳細を明らかにするために、脊髄スライス標本によるシナプス電流の解析を行った。ウレタン麻酔下にラットの脊髄腰膨大部からスライス標本を切り出し、膜電位-40mV固定下に後角第II層細胞からホールセルパッチ記録を行った。その結果、α2A受容体作動薬オキシメタゾリンとα2C受容体作動薬ST-91の灌流投与によって、α2受容体作動薬デクスメデトミジンと同様に外向き電流が誘起された。次に、α2受容体作動薬による外向き電流に対してα2受容体拮抗薬アチパメゾールの抑制効果を解析した。単回投与によるアチパメゾールの拮抗作用は5時間後の外向き電流も抑制した。以上の結果から、シナプス後細胞にはα2A,α2Cが存在することが明らかになり、α2受容体作動薬はシナプス後膜でα2Aまたはα2C、または、それら両方に作用し、カリウムイオンチャネルを介する過分極を引き起こし興奮の伝達を抑制すると考えられた。μ受容体作動薬も同様に、カリウムイオンチャネルを介する過分極を通して膜電位の閾値が上昇する。これらの受容体を介する共通機序の一部を拮抗することで、オピオイド耐性の形成に何らかの抑制性の影響を及ぼすのではないかと推察することができ、この結果は重要な意義をもつと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 脊髄膠様質ニューロンにおけるデクスメデトミジンの鎮痛作用2009

    • 著者名/発表者名
      石井秀明
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第56回学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-08-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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