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2010 年度 実績報告書

人工呼吸中の気道上皮免疫機構におけるGABAB受容体の役割

研究課題

研究課題/領域番号 21791444
研究機関岐阜大学

研究代表者

杉山 陽子  岐阜大学, 医学系研究科, 助教 (70444255)

キーワードシグナル伝達 / 免疫 / 気道 / IL-8 / ムチン
研究概要

培養気道上皮細胞のNCI-H292細胞を継代培養して実験に用いた。炎症性サイトカインであるTNFαで細胞を刺激するとインターロイキン8(IL-8)が産生され、その産生が麻酔薬であるプロポフォールによって増強されること、それがGABAA受容体を介してp42/44 mitogen-activated protein kinaseのリン酸化を促進することにより引き起こされることを発見した。このことから気道上皮細胞に発現しているGABA受容体がサイトカイン産生の調節を担っている可能性が示唆された。次にGABAB受容体の関与を検討するためにGABAB受容体拮抗薬や作動薬を用いてTNFα刺激によるIL-8産生への影響を測定したが、GABAB受容体拮抗薬や作動薬の前処置ではIL-8産生量は変化しなかった。
さらに、気道免疫のfirst stepとなる気道粘液(ムチン)産生においてGABA受容体が関与するか検討した。TGFαによって細胞を刺激すると濃度依存性に分泌型ムチンの一種であるMUC5ACの分泌が促進された。GABAA受容体に作用するといわれている麻酔薬、プロポフォールとミダゾラムで前処置すると、ミダゾラムは濃度依存性にTGFα刺激によるMUC5AC産生を抑制した。しかし、プロポフォールは抑制しなかった。ミダゾラムの作用がGABAA受容体を介したものか知るためにGAB飴受容体拮抗薬で前処置して実験を行ったが、GABAA受容体拮抗薬はミダゾラムの作用を抑制しなかった。よってムチン産生においてGABAA受容体の関与は証明されなかった。GABAB受容体拮抗薬や作動薬もTGFα刺激によるMUC5AC産生量を変化させなかった。
気道上皮におけるIL-8の産生は好中球遊走を惹起するなど気道炎症に重要な役割を持っており、GABAA受容体はその産生過程を修飾している可能性があり、今後新しい治療ターゲットとなりうることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 気道上皮細胞のサイトカイン産生におけるプロポフォールの作用2010

    • 著者名/発表者名
      杉山陽子、田辺久美子、飯田宏樹、土肥修司
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第57回学術集会
    • 発表場所
      福岡市、日本
    • 年月日
      2010-06-03
  • [学会発表] 気管平滑筋におけるDopamine D2受容体の発現とその機能的役割2010

    • 著者名/発表者名
      水田健太郎、Chang Yi、Xu Dingbang、杉山陽子、正木英二、Emala CW
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第57回学術集会
    • 発表場所
      福岡市、日本
    • 年月日
      2010-06-03

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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