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2009 年度 実績報告書

ヒト心房カリウムイオンチャンネルにおける麻酔薬の心房細動予防効果

研究課題

研究課題/領域番号 21791446
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

尾崎 将之  滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (50389459)

キーワード心房細動 / Kチャンネル / 麻酔薬結合部位 / ドッキングシミュレーション / 麻酔薬
研究概要

心収縮サイクルにおける心筋細胞の再分極相では内向き整流Kイオン電流が生じ、膜電位は静止膜電位に戻る。この内向きKイオン電流のうち非常に速い成分であるIKurは心房筋の再分極に重要な役割を果たす。IKurを担うイオンチャンネルKv1.5の異常は心房細動を引き起こすことが判明している。心房細動の作用機序はリエントリーであり、薬理学的に不応期を延長させれば、その予防、停止が可能である。麻酔薬にこの作用があると推定されている。本研究では計算機シミュレーションによりヒトKv1.5(hKv1.5)立体構造を予想し、この構造をもとにセボフルラン結合部位を探索した。探索によって得られた結合部位をもとに、セボフルランのhKv1.5に対する機能修飾を推定した。シミュレーションは、Molecular Operating Environment(CCG, Canada)を用いて計算を行った。開状態のKv1.2構造を鋳型としてホモロジーモデリングによりhKv1.5構造を作成した。得られた構造に対しセボルランの結合部位を探索した。その結果、hKv1.5に対しセボフルランはPre-filter water site,脂質結合部位,ヘリクス間に結合した。Pre-filter water siteは、K+の脱水和過程に関与する構造化水の位置であることからセボフルランはイオンの脱水和過程を修飾すると推定される。また、セボフルランは脂質結合部位の相互作用を介してチャンネル開閉を修飾する可能性がある。セボフルランはhKv1.5のイオン伝導をブロックして不応期を延長させることにより、心房細動予防効果をもつ可能性が示唆される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Structure-Stereoselectivity Relationship of Barbiturate Enantiomers Analysed by Docking Simulation2009

    • 著者名/発表者名
      Ozaki M, Seto T, Nosaka S
    • 雑誌名

      Anesthesiology Abs issue

      ページ: A655

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Noble gas anesthetics and nonimmobilizers show different binding Distributions to KcsA channel2009

    • 著者名/発表者名
      Ozaki M, Seto T
    • 雑誌名

      Biophysical Journal Abs issue

      ページ: 40a

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ニコチン性アセチルコリン受容体における光学異性バルビツレートの結合様式2009

    • 著者名/発表者名
      Ozaki, Seto T, Nosaka S
    • 雑誌名

      Pharmacoanesthesiology 20

      ページ: 49-52

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト心房カリウムイオンチャンネルKv1.5におけるセボフルランの結合部位2009

    • 著者名/発表者名
      尾崎将之 瀬戸倫義 野坂修一
    • 学会等名
      麻酔メカニズム研究会
    • 発表場所
      豊中市
    • 年月日
      2009-07-18

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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