脳虚血時の静脈内ケタミン投与が細胞外グルタミン酸濃度の経時的変化にあたえる影響をマイクロダイアリシス法にて明らかにした。スナネズミに5分間の前脳虚血を負荷し、虚血5分前から虚血30分後までの海馬CA1領域のグルタミン酸濃度の推移を1分ごとに測定した。虚血開始3分後から6分後までの間はケタミンの投与によって細胞外グルタミン酸濃度は対照(ハロタン投与)に比べ有意に低下し、最大濃度はケタミン投与群1.97±0.52μM、対照群3.26±0.79μMであった(p<0.01)。脳虚血時のケタミン投与は細胞外グルタミン酸濃度を低下させ、ケタミンの持つ脳保護効果の一つの要因であることが示唆された。
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