平成21年度は第5腰神経切断による神経因性疼痛モデル(SNL)ラットにおいて、Sema3Aの受容体であるPlexinA、Neuropilin 1の脊髄後角及びDRGにおける発現の確認、発現量の比較をWestern Blottingを用いて行った。Naive rat及びSNLラット双方において両受容体は脊髄後角、DRGいずれにおいても発現しており、Neuropilin 1の発現量はSNLによる変化を認めなかったものの、PlexinAの発現量はSNLラットにおいて、DRGでは増加、脊髄後角では低下していることが明らかになった。また、神経成長因子の受容体であるTrkA、GFRαに対する脊髄後角及びDRGでのWBを行い、それぞれの発現を確認したが、これらタンパクの1次抗体が非特異的なものだったため、いくつかの1時抗体(譲与されたものを含む)を用いて再検討しているところである。Neuropilin 1に対しては、insitu hybridizationを兵庫医科大学神経解剖学客員研究員福岡哲男博士の協力の下行い、SNLラットにおいては明ら週間で元に戻ってしまうことが明らかになり、外的要因による神経障害という点ではSNLと重複する点もあるため、当面SNLに絞って検討することとした。平成22年1月からはパクリタキセル、シスプラチン投与による末梢神経障害性疼痛モデルラットを作成し、に行動学的に過去の報告通り疼痛閾値が低下しているかを現在確認中である。
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