シミュレーターを利用した教育プログラムの再検討 前年度に引き続き、下記のようなプログラムを展開した。アンケートを実施し、同時に一部プログラムでは参加者のcompetencyを評価することでニーズを検討した。 ・院内講習会:中心静脈カテーテル講習会(年3回) ・麻酔科医対象気道確保講習会(AMCA-General、Surgical、Fiber、LMA)計6回 ・蘇生関連講習会:BLS、ACLS、ICLS、院内AED講習会 ・麻酔科後期研修医 急変時対応訓練(competency3年分を評価・集計。日本麻酔科学会総会およびAmerican society of Anesthesiologists Annual Meetingで発表) ・手術室緊急時対応訓練(日本手術医学会総会にシンポジウムに招請) 麻酔科専門医養成プログラムとの統合 上記プログラム実績から、特にシミュレーション教育が重要な役割を果たすことが期待される内容として、治療や処置の判断までもが麻酔科医に求められるもの、すなわち緊張性気胸時の胸腔穿刺や気道確保困難時の外科的気道確保に関してのニーズが特に高く、シミュレーション経験の有無がパフォーマンスを大きく分ける可能性があることが示唆された(American society of Anesthesiologists Annual Meetingで発表)。また、機器の違いや職種を超えたコミュニケーションなど、個々のトレーニングで得られたものをいかに臨床現場に適応させるかという能力の開発も重要であり、今後の教育プログラムに盛り込むべきものと考えられた。
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