• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

局所麻酔薬の抗炎症作用の解明-炎症性疼痛の治療への応用を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 21791467
研究機関大阪市立大学

研究代表者

長谷 一郎  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60325628)

キーワードリドカイン / ブピバカイン / レボブピバカイン / 血中濃度 / 蛋白結合率 / 質量分析
研究概要

リドカインは抗炎症作用を有し、術後の回復を早め予後を改善するが、リドカイン以外のアミド型局所麻酔薬の抗炎症作用については殆ど明らかにされていない。またリドカインは神経伝達の遮断に必要とされるよりも低濃度で抗炎症作用を発現するが、その際の血中濃度や組織濃度の閾値についても検討されていない。そこで局所麻酔薬を動物に投与し、局所麻酔薬の血中濃度と組織中濃度および炎症メディエーターの関係を明らかにすることを目的として実験を行った。局所麻酔薬として、リドカイン、ブピバカインおよびブピバカインの一方の光学異性体であるレボブピバカインを用いた。覚醒状態のラット動静脈にカテーテルを留置したモデルを用い、硬膜外麻酔目的で持続投与を行った場合よりも血中濃度が低く保たれるよう、投与量の設定について検討した。その結果、リドカインは0.5μg/kg/min以下、ブピバカインおよびレボブピバカインは0.1μg/kg/min以下では血行動態や呼吸状態に影響を及ぼさないことが明らかになった。次に、これらの速度で持続投与を行った際の血中濃度の変化を検討した。血漿分離が必要であること、一度に得られる血液量に限度があるため、高速液体クロマトグラフ-質量分析装置を用いて微量の血液検体中の局所麻酔薬濃度の定量を試みた。その結果20μlの血漿で、リドカインは0.1-5μg/ml、ブピバカイン、レボブピバカインは0.1-2μg/mlの範囲で血中濃度の測定が可能なことが明らかになった。経時的に血中濃度を定量した結果、120分間の持続投与後には3種類の局所麻酔薬の血中濃度はほぼ一定に達することが明らかになった。また蛋白結合率はリドカインが約50%、ブピバカイン・レボブピバカインが約80%で、臨床における値とほぼ等しいことが明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 脊髄くも膜下麻酔後に転換性障害による神経症状を呈した1症例2009

    • 著者名/発表者名
      清水雅子
    • 雑誌名

      日本ペインクリニック学会誌 16

      ページ: 158-160

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大学病院の緩和ケアチームにおける麻酔科医の活動 その2「徹底コンサルタント型」2009

    • 著者名/発表者名
      長谷一郎
    • 雑誌名

      日本臨床麻酔学会誌 29

      ページ: 597-604

  • [雑誌論文] 診断に難渋した肩部Glomus腫瘍の1症例2009

    • 著者名/発表者名
      舟尾友晴
    • 雑誌名

      ペインクリニック 30

      ページ: 1265-1267

  • [雑誌論文] Pharmacokinetics of lidocaine, bupivacaine, and levobupivacaine in plasma and brain in awake rats

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Y.
    • 雑誌名

      Anesthesiology (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 当院緩和ケアチームに紹介された骨転移症例に対する疼痛緩和方法についての検討2009

    • 著者名/発表者名
      長谷一郎, 鶴田理恵, 星学, 高田佳江, 松井徳造, 宮田妙子, 高橋陵太, 舟尾友晴, 浅田章
    • 学会等名
      第14回日本緩和医療学会学術大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20090000
  • [学会発表] 鍼治療・指圧が原因と考えられる横紋筋融解症の1例2009

    • 著者名/発表者名
      池田奈保美, 宮田妙子, 長谷一郎, 義元徳祥, 浅田章
    • 学会等名
      日本ペインクリニック学会第43回大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20090000
  • [学会発表] ガンマナイフ治療後に再発した三叉神経痛5症例2009

    • 著者名/発表者名
      萩原千恵, 長谷一郎, 舟井優介, 清水雅子, 高橋陵太, 宮田妙子, 舟尾友晴, 義元徳祥, 西川精宣, 浅田章
    • 学会等名
      日本ペインクリニック学会第43回大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20090000
  • [学会発表] 帯状庖疼痛、帯状庖疹後神経痛に対して投与した三環系抗うつ薬によるQTc延長効果の検討2009

    • 著者名/発表者名
      舟尾友晴
    • 学会等名
      第39回日本ペインクリニック学会関西地方会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-06-06

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi