研究概要 |
本研究は膀胱癌、腎癌の発癌におけるマイクロRNA(以下miRNA)の関与、特にmiRNA合成経路に着目し分子疫学的手法からmiRNAの合成に影響をおよぼす遺伝子を明らかにすることが目的である。 平成21年度から今年度にかけて、microRNA関連一塩基置換型遺伝子多型(Single nucleotide polymorphism:SNP)の選定とその解析に着手している。そのうち、SET8遺伝子3'UTRに位置するmiR502のbinding siteに位置するSNP,さらにはmir146,mir149,mir196a2,mir499上のSNPのgenotypingを腎細胞癌、尿路上皮癌および正常対照に対して行い、SNPがそれぞれの癌発症リスクに及ぼす影響・治療後の予後に関する影響を解析している。今回解析中の多型はすでに文献にて肺癌、乳癌との有意な関連が指摘されているもので、尿路上皮癌および腎細胞癌など泌尿器科癌における関連を見出すことができれば、さらに機能解析を試みている。また、腎細胞がんにおいてmiRNA関連遺伝子多型が、癌の治療アウトカムに影響を与えることが見出された。
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