研究概要 |
(1)前立腺癌における,血清テストステロン値の有用性を研究し,論文発表した。根治的前立腺全摘除術を施行した118例において、術前後の血清T値と血清ヒト黄体化ホルモン(luteinizing hormone ; LH)値を比較検討した。術後の血清テストステロン値は5.60±1.90ng/mlで、術前の3.89±1.43ng/mlと比べて有意に上昇していた(p<0.0001)。同様に、血清LH値も術前後で有意な上昇を認めた(5.11±2.47ng/ml vs 6.86±3.64ng/ml;p=0.0001)! (2)日本人患者における初回前立腺生検予測ノモグラムに関し、external validationによる有用性の検討を含め,論文発表した。 (3)前立腺癌の内分泌療法不応性(再燃)機序の解明や治療法の確立、再燃予測マーカーの開発が治療予後を改善しうると考えられ,そのために新しい蛋白質質量分析装置であるSELDI-TOF MS protein chip system[○!R](surface-enhanced laser desorption/ionization time-of-flight mass spectrometry;表面増強型レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析装置、米Ciphergen社)を用いて疾患の病態を探るProteome解析を行った。この方法で再燃前立腺癌の新規バイオマーカー候補、またはその機序に関わる蛋白質apolipoprotein C-Iを検索し,報告した。
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