研究課題
(1)限局性前立腺癌患者において、生検と全摘標本との間のGleason sum upgradingが43%の症例にまでみられるとされ、University of HamburgのChunらは術前血清PSA値、clinical stage、生検Gleason patternを用いた予測ノモグラムを報告している。今回われわれは、1997年2月から2008年1月までに、6針以上の生検の後に根治的前立腺全摘除術を施行された限局性前立腺癌503例(千葉大学病院; 214例、千葉県がんセンター; 295例)を対象とし、同ノモグラムに対するexternal validationを行った。全体ではGleason sum upgradingを150例(29.8%)で認め、validationによるノモグラムのAUC(area under the curve)は0.79(CI; 0.751-0.832)であった。しかしCalibration plotでは予測値によっては10%以上の誤差を認め、日本人症例に適用した場合の同ノモグラムの精度低下が示唆された。(2)前立腺癌の内分泌療法不応性(再燃)機序の解明や治療法の確立、再燃予測マーカーの開発が治療予後を改善しうると考えられ、そのために新しい蛋白質質量分析装置であるSELDI-TOF MS protein chip system[○!R](surface-enhanced laser desorption/ionization time-of-flight mass spectrometry; 表面増強型レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析装置、米Ciphergen社)を用いて疾患の病態を探るProteome解析を行った。
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