研究概要 |
基礎的研究として,PRCC-TFE3遺伝子,ASPL-TFE3遺伝子永久導入ヒト胎児腎細胞(HEK293細胞)の確立を目指し,TFE3転座遺伝子のプラスミドを用いたtransfectionを行った. G-418を用いてtransfectantの確立を試みるも,導入されず,他種の細胞も用いたが,奏功しなかった.このため,同様の手技によるIn vitroにでのXp転座腎癌の実験は困難と判断し,現在はマウス胎児腎細胞を用いたtransfectant確立を検討中である. 臨床的研究として,若年性(45歳以下)限局性腎癌症例では無再発生存率が同等であるにもかかわらず,癌特異的生存率が通常の腎癌よりも良好であること(1)を,1142例の大規模なコホートを用いて示した(第97回アメリカ泌尿器科学会総会にて発表).予後に差異を認める理由としてXp染色体転座腎癌の存在を示唆する結果(2).であった.(1),(2)はいずれも海外の文献を含めてこれまでに報告されておらず,初めての知見と考えられた.
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