研究概要 |
親株PC-3とパクリタキセル耐性株PC-3-TxRの遺伝子の発現の違いを調べるためcDNA microarrayを行ったところ、多くの遺伝子の発現の違いが確認できた。PC-3-TxRで2倍以上発現が亢進していた遺伝子は202個、発現が減弱していた遺伝子は219個確認できていたので、これらの遺伝子のうち、耐性株で発現の亢進していたtensin(7.23-fold)、immunoglobulin superfamily, member 4(IGSF4)(5.32-fold)、耐性株で発現の減弱していたinterleukin 23, alpha(17.1-fold)、calbindin 1(15.6-fold)、CTEN(10.7-fold)の発現をRT-PCRで再確認した。これらの遺伝子のうちtensinの発現は耐性株でも極めて低く、今後の研究に除外した。 まず、文献検索を行いCTENがapoptosisに関与しているとの論文があったため、CTENの発現を減弱、亢進させるためのsiRNAや強制発現ベクターを購入し、PC-3あるいはPC-3-TxRに導入した細胞株を樹立した。PC-3にCTEN siRNAを導入するとCTENの発現が減弱するのを観察した。この細胞ではパクリタキセルに対する感受性が減弱していた。また、PC-3-TxRには発現ベクターを安定導入し、overexpressionをwestern blottingで確認した。この細胞ではパクリタキセルに対する感受性が回復していた。
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