ホルモン非依存性前立腺癌の親株PC-3とパクリタキセル耐性株PC-3-TxRの遺伝子発現の違いをcDNA microarray analysisで調べた結果、CTENという遺伝子の発現が耐性株で減弱し、耐性化の原因のひとつではないかと推測された。このCTEN遺伝子発現減弱によるパクリタキセル耐性化の機序にはactinの発現の増強、およびEGFRの発現の増強が観察された。それらの遺伝子の発現の変化が耐性化に影響を与えているかを調べるため、siRNAを用いてactinやEGFRをノックダウン、またEGFR特異的チロシンリン酸化阻害剤を耐性株に対して使用した結果、パクリタキセルに対する感受性が回復することが確認された。
|