研究概要 |
1.マウスおよびラット膀胱平滑筋細胞、上皮細胞培養系、上皮下に存在する間質細胞(筋繊維芽細胞)の培養系の作成:平成20-22年度基盤研究(B)研究課題番号20390423「下部尿路知覚神経伝達におけるイオンチャネルの役割と新規治療応用に関する研究」(代表者武田正之)によって、膀胱平滑筋細胞、上皮細胞培養系の作成には成功した。 マウス・ラット;摘出組織を用いて、通常のexplant culture法によって、膀胱平滑筋細胞培養系を作成した。同様にして、膀胱上皮細胞培養系を作成した。上皮下に存在する間質細胞(筋繊維芽細胞)の培養系の作成は、現在、試行中である。 2.マウスおよびラット下部尿路におけるENaC、TRPチャネルファミリー(TRPV1, TRPV4, TRPM8, TRPA1)の各種刺激に対する反応に関する検討 (1)マウスおよびラット組織;摘出した下部尿路組織を用いた。TRPV4に関しては、活性物質による刺激と伸展刺激のいずれによっても、上皮細胞からATPが分泌されることを確認した。この反応は、wild typeマウスでは認められたが、TRPV4 k/oマウスでは認めらなかった。さらに、このATP産生メカニズムについて詳細な検討を行い、小胞型分泌に関与する新しいトランスポータであるVNUT (Vesicular Nucleotide Transporter)の膀胱上皮での発現とTRPV4刺激や進展刺激によって引き起こされるATP分泌において重要な役割を果たしていることを明らかにした(投稿準備中)。 (2)マウスおよびラットの行動実験;平成20-22年度基盤研究(B)研究課題番号20390423「下部尿路知覚神経伝達におけるイオンチャネルの役割と新規治療応用に関する研究」(代表者武田正之)によって、マウスおよびラットの排尿行動を詳細に解析できる装置を購入し、設置した。これを用いて、現在排尿行動の解析を行っている。
|