研究課題
本年度は、癌間質モデルurogenital sinus mesenchyme (UGM)の代替細胞である市販の正常ヒト前立腺ストローマ細胞PrSC(Lonza社)について、本邦で臨床使用されている前立腺肥大症治療薬(α_1受容体遮断薬)の影響を検討した。【検討1】代表的なα_1受容体遮断薬のうち、NaftopidilはPrSCの細胞増殖を強く抑制したが、TamsulosinおよびSilodosinによる増殖抑制作用は認めちれなかった。【検討2】α_1受容体遮断薬は、PrSCにおけるKGF/FGF-7およびIGF-I mRNA曲産生に影響しなかった。【検討3】α_1受容体遮断薬によりPrSC由来IL-6のタンパク質量が有意に減少した。【検討4】ヒト前立腺癌細胞E9+PrSCのin vivo腫瘍形成は、Naftopidilにより有意に抑制されたが、TamsulosinおよびSilodosinによる腫瘍形成の抑制作用は認められなかった。以上から、α_1受容体遮断薬はPrSCにおけるKGF/FGF-7産生に影響しないものの、PrSCの細胞増殖およびIL-6産生を強く抑制しその結果、in vivo腫瘍形成の抑制に関与しているものと考えられた。
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Cancer Prevention Research
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Biology of Reproduction
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