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2009 年度 実績報告書

ヒト前立腺平滑筋の収縮機能の検討-前立腺肥大症の新たな治療薬開発を目指して-

研究課題

研究課題/領域番号 21791518
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

高田 麻沙  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (60468254)

キーワード前立腺平滑 / α1受容体 / NO / 細胞内カルシウム濃度
研究概要

ヒト前立腺生検標本を用いて等尺性張力実験を行ったところ、1分間に0.5-3回の頻度で20-40秒持続する緩徐な自発収縮が観察されたが、自動運動の全く見られない標本も存在した。
α1受容体刺激薬であるPhenylephrineを投与したところ、自発収縮の頻度および収縮張力がともに増加した。これにより、α1受容体刺激下の状態でα1受容体各サブタイプの阻害薬を追加投与することで、ヒト前立腺の自発収縮におけるα1受容体を介した収縮は、α1受容体の各サブタイプ(主としてα1a受容体、α1d受容体)がどのように関与しているかを検討することが可能となった。
また、一般にNOは平滑筋を弛緩させる作用を持つとされているが、組織によっては興奮性を増す可能性を示唆する報告も見られる。ヒト前立腺組織においては、NO供与体であるSIN-1を投与することにより自発収縮の頻度と収縮張力がともに減少した。これは、ED治療薬であるクエン酸シルデナフィルが男性機能のみならず下部尿路症状を改善させるという過去の報告を支持するものと考えられた。さらに、細胞内カルシウム貯蔵部位へのカルシウムの取り込みを阻害する作用を持つCyclopiazonic acidを投与したところ、自発収縮の頻度および振幅は強く抑制、あるいは完全に消失した。貯蔵部位への取り込み阻害によって一旦は細胞質内のカルシウム濃度が上昇するものの、次第に供給源が枯渇するため、最終的に細胞質内のカルシウム濃度が低下するためと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Role of K+ channels in regulating spontaneous activity in detrusor smoth muscle in situ in the mouse bladder.2009

    • 著者名/発表者名
      Hayase Masa
    • 雑誌名

      The Journal of Urology 181(5)

      ページ: 2355-2365

    • 査読あり
  • [学会発表] マウス膀胱平滑筋の自発活動制御におけるK channelの役割。2009

    • 著者名/発表者名
      早瀬麻沙(高田麻沙 旧姓を使用)
    • 学会等名
      第97回日本泌尿器科学会総会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター(岡山市)
    • 年月日
      2009-04-16

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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