• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

前立腺癌における機能性RNAの分子生物学的意義および標的遺伝子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21791530
研究機関帝京大学

研究代表者

小島 聡子  帝京大学, 医学部, 准教授 (10345019)

キーワード前立腺癌 / マイクロRNA / アポトーシス / PC3
研究概要

癌の発生、進展の発現調節機構としてnon-coding RNA (microRNA)が近年注目されている。本研究は前立腺癌の進展の分子メカニズムの解明に向けて、前立腺癌臨床検体を用いたmicroRNA(以下miRNA)の発現プロファイルの作成を行うことを第1の目的として行った。次に、前立腺癌症例において発現の低下しているmiRNAを前立腺癌細胞株に遺伝子導入することで、前立腺癌細胞の増殖や細胞死に対する影響を調べた。
前立腺針生検から得られた進行前立腺癌の前立腺癌組織と、癌の含まれない前立腺組織それぞれ5例からRNAを抽出し、発現するmi-RNAのプロファイリングを作成した。さらに、症例数を40例に増やして、注目されるmiRNAの発現をRT-PCR法にて調べた。進行性前立腺癌において著明に発現の低下していたmiRNAを前立腺癌細胞株であるLNCaP、PC3およびDU145に遺伝子導入し、細胞の増殖をXTT assayにて検討し、アポトーシスの有無をflow-cytometlyにて検討した。
Low Density Micro RNA Arrayによる解析の結果、進行性前立腺癌において最も発現の低下のみられたのはmiR-184,miR-187,miR-205,miR-200a^*,miR-31であった。これらのmiRNAを前立腺癌細胞株に導入すると、LNCaP、PC3細胞では増殖抑制を示したが、DU145細胞では変化を認めなかった。これらのmiRNAは、前立腺癌の症例において、前立腺組織での発現が明らかに低下することがRT-PCRにて示された。
以上から、網羅的な遺伝子解析により、進行前立腺癌の増殖や進展を抑えるmiRNAを同定できる可能性が示唆された。今後、本研究から示唆されたmiRNAのなかでも前立腺癌に特徴的なmiRNAを選別し、さらに前立腺癌進展の分子メカニズムを解明するために、それらのmiRNAが制御している標的蛋白コード遺伝子の探索を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Restoration of miR-145 expression suppresses cell proliferation, migration and invasion in prostate cancer by targeting FSCN1.2011

    • 著者名/発表者名
      Miki Fuse
    • 雑誌名

      Int.J.Oncol.

      巻: 38 ページ: 1093-1011

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mir-96 and miR-183 detection in urine serve as potential tumor markers of urothelial carcinoma : correlation with stage and grade, and comparison with urinary cytology.2011

    • 著者名/発表者名
      Yasutoshi Yamada
    • 雑誌名

      Cancer Sci

      巻: 102 ページ: 522-529

    • 査読あり
  • [学会発表] 前立腺癌におけるmiR-200 familyおよびmiR-205の機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      小島聡子、榎田英樹、千代丸剛、中川昌之、稲原昌彦、納谷幸男、関直彦
    • 学会等名
      第69回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20100922-20100924
  • [学会発表] 癌抑制遺伝子miR-145の前立腺癌における機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      布施美樹
    • 学会等名
      第69回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-09-22
  • [学会発表] 尿路上皮癌患者の尿・血清検体におけるマイクロRNAの検出2010

    • 著者名/発表者名
      榎田英樹
    • 学会等名
      第98回日本泌尿器科学会総会
    • 発表場所
      岩手
    • 年月日
      2010-04-29

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi