研究概要 |
BALB/Cマウス骨髄を採取し、通常の培養方法(GM-CSF添加のみ)によりnormal DCを誘導し、一方GM-CSF,IL-10,TGF-b添加によりregulatory DCを誘導した。それぞれLPSで刺激した。Regulatory DCでは少ない割合ではあるがCD86が上昇したので、IMag精製によりCD86陽性の細胞を除去したものを実験に使用した。これらの樹状細胞にHA発現レトロウィルスベクターを感染させ、BALB/Cマウスに免疫した。HA発現プラスミドでブーストした後、免疫血清を採取し、anti-HA抗体が存在するかフローサイトメトリー法で解析したところ、normal DCで免疫したものではanti-HA抗体が確認されたが、regulatory DCで免疫したものは有意に抗体価が低く、regulatory DCは抗体産生を誘導する能力が低いことが明らかになった。次に培養細胞から膜タンパク質を精製し、DCが取り込むかどうか検討した。まずマウスCD4とGFPを融合したコンストラクトを作製し、293T細胞にtransfectionによりCD4-GFPが細胞膜に発現していることをフローサイトメトリー解析と蛍光顕微鏡観察で確認した。CD4-GFPを発現させた293T細胞よりキットを使用して膜タンパク質を回収し、normal DCとregulatory DCに添加した。その結果GFPがどちらのDCでも有意に認められ、膜タンパク質を取り込んでいることが確認された。膜タンパク質を取り込ませたDCをマウスに免疫し、膜タンパク質に対する抗体が誘導されるか検討中である。
|