腎癌細胞ACHNを培養しMTTアッセイを行った。先ず、グループ1.IL-2単独・グループ2.sunitinib単独・グループ3.IL-2とsunitinib併用の3群にグループを分けた。その結果、グループ1.のIL-2単独では癌細胞増殖を抑制する効果は無いことが判明した。 sunitinib単独のグループ2では濃度依存性の細胞増殖抑制効果が確認できた。IL-2の濃度を一定に保った状態で前処置したIL-2とsunitinibの併用群ではsunitinib単独と同じく濃度依存性の細胞増殖が確認できたが、IL-2による相乗効果は無いことが明らかとなった。このことからIn vitroではIL-2はsunitinibの効果を増強する事象はないことが分かった。続いてIn vivoの実験としてマウスの腎臓にヒトの腎癌細胞株を同所移植したモデルを作成した。そしてグループ1.コントロール・グループ2.IL-2単独・グループ3.sunitinib単独・グループ4.IL-2とsunitinib併用の4群にグループを分けてマウスを観察した。その結果、コントロールに比較してグループ2ではある程度のマウスの生存延長が確認できた。さらにグループ3ではコントロールに比較して有意に生存が延長することが判明した。さらにIL-2とsunitinibの併用群ではsunitinib単独の場合に比較してマウスの生存が延長することが明らかとなった。以上の結果から、sunitinibはIL-2の抗腫瘍効果をおそらくはホスト側の因子を介して相乗的に促進することが確認できた。
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