研究課題
1.腹腔内の樹状細胞のサブセット解析子宮内膜症患者の腹腔内貯留液中の樹状細胞のサブセットを解析した結果、BDCA1陽性骨髄系樹状細胞、BDCA3陽性骨髄系樹状細胞、形質細胞様樹状細胞のいずれについても、非子宮内膜症患者と有意差みとめなかった。骨髄系樹状細胞のうち、マンノース受容体(CD206)陽性細胞は、子宮内膜症患者の腹腔内貯留液中に、有意に多くみられた。これは、子宮内膜症患者の腹腔内で、腹腔内の樹状細胞の抗原取り込み能が亢進していることを示唆している。また腹腔鏡下手術前に油性造影剤を用いた子宮卵管造影を行った症例では、やはりマンノース受容体陽性細胞の割合が多く、本症との関連につき検討中である。2.好中球除去モデルマウスによる子宮内膜症モデルマウス作製抗Gr抗体を用いて、マウスの好中球を全身的に除去するモデルを用いて、子宮内膜症モデルマウスを作製した。その結果、好中球を除去したマウス群では、マウス腹腔内の子宮内膜症病巣の形成が阻害された。腹腔内の好中球が、子宮内膜症病巣の形成に重要な役割を担っていることが示唆された。また子宮内膜症細胞から発現するGroαというケモカインが好中球を病巣に遊走させることも見いだした。またこの好中球がIL-17というサイトカインを分泌することも明らかになり、子宮内膜症の増悪に関与していることが示唆された。3.樹状細胞除去モデルマウスによる子宮内膜症モデルマウス作製CD11c-DTRマウスを用いて、同様に子宮内膜症モデルを作製した。樹状細胞除去によりマウスの子宮内膜症病巣形成が阻害される傾向があり、現在追試中である。
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