ICSI後受精障害卵に対する卵活性化法併用の有効性が確認された。ICSI後受精障害卵中において、時間経過にともない精子染色体の分離が高頻度に確認され、このことが卵活性化刺激後の受精障害・精子染色体異常率の上昇・胚発生障害の一因であることが示唆された。以上から、卵活性化因子障害症例において、ICSIに卵活性化法を併用する場合、精子染色体への悪影響を避けるために、ICSI直後の卵活性化刺激が必要であると考えられた。また動物実験により、第2極体確認時期のICSI後受精障害卵に対する卵活性化刺激併用では、その後の受精・胚発生が障害されないことが確認された。ヒトPiezo-ICSIにおける卵活性化の早期判定はICSI後4時間で可能であり、同時期に不活性化卵に人為的卵活性化法を併用することで受精障害を回避し、その後の胚発生を補助出来る可能性が示唆された。
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