研究課題
【目的】細胞周期関連遺伝子の発現が癌細胞における抗癌剤感受性に影響を与えることが明らかとなってきた。我々は、M期チェックポイント遺伝子CHFRのsiRNAを用いて、子宮体癌細胞株におけるCHFRの発現抑制と各種抗癌剤に対する感受性の変化を検討した。さらに、その際の腫瘍の変化を分子イメージング的手法により解析した。【方法】CHFR高発現を示した子宮体癌細胞株HEC-1B細胞をヌードマウスの皮下に移植し腫瘍を形成させた。このマウスに対し,パクリタキセル(5mg/kg)の腹腔内投与群(P群)、アテロコラーゲンによるCHFRsiRNA(10μM)の腫瘍への局所投与群(C群)、およびパクリタキセルとCHFRsiRNAの併用群(P+C群)の3群において腫瘍体積の変化を解析した。薬剤投与後12日目の腫瘍を摘出し、腫瘍の細胞増殖能をKi-67染色にて、アポトーシスをTUNEL染色にてそれぞれ解析した。また、分子イメージング的手法を用いて、HEC-1B細胞に導入したGFPの蛍光シグナルを経時的に計測した。【成績】HEC-1Bをヌードマウスの皮下に移植後、3週間で腫瘍の形成が確認された。その日から各薬剤の投与を開始し、投与開始12日目において皮下腫瘍の体積は、P+C群において最も低く、P群に比し有意に低下していた(p<0.016)。腫瘍の細胞増殖能もP+C群は、P群に比し有意に低下していた(p<0.1)。腫瘍のアポトーシスは、P+C群において最も高く、P群に比し有意に上昇していた(p<0.05)。分子イメージング的手法を用いた計測でも、P+C群はP群に比し著名な蛍光シグナルの減少が確認された。
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Epigenomics
巻: 4 ページ: 147-162
Biochemistry Research International
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Oncology Letters