研究概要 |
鼻性NK/T細胞リンパ腫は非常に予後が悪いEBV発癌リンパ腫である。LMP1はEBV由来の癌原性蛋白であり、以前の検討にてIL?2,10,15などのサイトカインがLMP1の調節因子であることを報告した。今回は本腫瘍株においてケモカイン、特にIP-10(Interferon gamma-induced protein-10)産生がLMP1によって増強されること、そのIP-10が細胞浸潤能の増強因子であることを見いだした。さらにIP-10により単球が引き寄せられ、膜型IL-15を介した細胞接着により腫瘍細胞の増殖やLMP1発現増強が促されるすることを見いだした。従って、LMP1はIP-10や単球の仲介により本リンパ腫にて腫瘍増殖、浸潤に関与している可能性が示唆された。
|