腺様嚢胞癌は、抗癌剤や放射線治療に抵抗性であり、予後は不良である。TSが高発現していると、化学療法に抵抗性であるといわれている。そのため本研究ではTSをsiRNAによりknock downさせ、抗癌剤に抵抗性である頭頸部腺様嚢胞癌に抗癌剤感受性を獲得させる。それによって、頭頸部腺様嚢胞癌の診療成績を向上させることができると考えている。 具体的な実験内容としては、頭頸部腺様嚢胞癌由来細胞株において、TS遺伝子のsiRNA導入によるTSmRNAのknock downを行い、その上で5-FUを作用させる。siRNA単独群、5-FU単独群、siRNA+5-FU群それぞれの抗腫瘍効果を比較検討し、その結果、腺様嚢胞癌であってもTSをknock downさせることによって、5-FUに感受性を獲得することを明らかにしたい。また、以上の検討はsiRNAの濃度依存性での評価とともに時系列でも評価したい。 さらに5-FUも同様に濃度依存性での評価、時系列での評価を行いたい。
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