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2009 年度 実績報告書

網膜電図を利用したマウス網膜神経節細胞応答の記録法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21791678
研究機関名古屋大学

研究代表者

上野 真治  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80528670)

キーワード網膜電図 / マウス / 網膜神経節細胞 / 軸索数 / 視神経障害モデル
研究概要

網膜電図(ERG)を利用したマウス網膜神経節細胞応答の記録法の開発ということで、平成21年度は今まで主にヒトのERGで報告されてきた網膜神経節細胞の評価法をマウスに応用して実験を行った。
はじめにSTR (Scotopic threshold response)と呼ばれる、暗順応下に弱い光刺激により生ずる反応により、網膜神経節細胞の機能を解析できるか、またどのような条件が最も適しているかを検討した。まず記録に際し完全な暗順応の状態が非常に大切であり、完全な暗室を用いなければ質的な評価をすることはできなかった。刺激強度としては、我々の施設では、-7.2 log cd s m^2から-4.2 log cd s m^2の刺激強度で記録できた。振幅は-5.2 log cd s m^2の刺激で21.6+8.6(mean+SD)μVであった。網膜神経節細胞障害のポジティブコントロールである視神経切断モデルを使った評価でも、切断モデルでは7.3+1.6(mean+SD)μVとSTRが有位に減弱した。この結果よりSTRは視神経の評価に有用であることがわかった。
つぎにPhNR (Photopic negative response)と呼ばれる錐体ERGの一成分の中に網膜神経節細胞の成分が含まれるかどうかを検討した。ヒトのPhNRは錐体ERGを青色の背景光下に赤色刺激にて記録をすると網膜神経節細胞反応が記録しやすいとの報告があり、我々も赤色刺激にて錐体ERGを記録しPhNRの評価を行った。視神経切断モデルにおいてPhNRの振幅は対象群と比較して有意な差は認められなかった。以上よりヒト臨床で用いられているPhNRは、マウス網膜神経節細胞の評価法としては機能しないことが判明した。
今年度はマウス網膜神経節細胞の評価法の検証を行い、STRによる記録は有用であることが判明した。平成22年度はさらなる評価法の検証と、実際のモデルマウスの評価を行う予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Gene expression analysis of embryonic photoreceptor precursor cells using BAC-Crx-EGFP transgenic mouse2010

    • 著者名/発表者名
      Muranishi, Y.Sato, S.Inoue, T.Ueno, S.Koyasu, T.Kondo, M.Furukawa, T.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] TRPM1 is a component of the retinal ON bipolar cell transduction channel in the mGluR6 cascade2010

    • 著者名/発表者名
      Koike, C.Obara, T.Uriu, Y.Numata, T.Sanuki, R.Miyata, K.Koyasu, T.Ueno, S.Funabiki, K.Tani, A.Ueda, H.Kondo, M.Mori, Y.Tachibana, M.Furukawa, T.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA 107

      ページ: 332-337

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Increased expression of catalase and superoxide dismutase 2 reduces cone cell death in retinitis pigmentosa2009

    • 著者名/発表者名
      Usui, S.Komeima, K.Lee, S.Y.Jo, Y.J.Ueno, S.Rogers, B.S.Wu, Z.Shen, J.Lu, L.Oveson, B.C.Rabinovitch, P.S.Campochiaro, P.A.
    • 雑誌名

      Molcular Therapy 17

      ページ: 778-786

    • 査読あり
  • [雑誌論文] I Supernormal ERG oscillatory potentials in transgenic rabbit with rhodopsin P347L mutation and retinal degeneration2009

    • 著者名/発表者名
      Sakai, T.Kondo, M.Ueno, S.Koyasu, T.Komeima, K.Terasaki, H.
    • 雑誌名

      Invest Ophthalmol Vis Sci 50

      ページ: 4402-4409

    • 査読あり
  • [学会発表] 網膜色素変性症の最新の治療について2009

    • 著者名/発表者名
      上野真治
    • 学会等名
      網膜視色素変性症の会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-12-08

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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