研究概要 |
ラットの片眼の上強膜静脈2本を結紮したモデルでは、処置眼の術前眼圧が平均10.1±1.1mmHgに対し、術後が9.1±0.2mmHg、対照眼の術前眼圧が11.6±4.2mmHgに対して術後が8.6±1.4mmHgと有意な変化を認めなかった(いずれもn=3)。焼灼モデル以外の薬物スクリーニング手段として、ラット培養網膜神経節細胞に対するpigment epithelium-derived factor(PEDF)の神経保護効果の検討を行った。培養開始3日後の生存細胞数は、PEDFを投与しなかった群(n=18)を1とした生存率で、PEDF1ng/ml,10ng/ml,100ng/ml,1μg/mlではそれぞれ1.13±0.53(n=8)1.52±0.54(n=6)2.40±0.52(n=6)3.45±1.08(n=16)4.31±1.34(n=8)であり、濃度依存性に保護効果を有した。有望な神経保護薬剤と考えられたが、臨床応用のためにはin vivoモデルの確立が必要であるが、in vivoモデルは既報どおりの手技で行っても安定した眼圧上昇を得ることが難しかった。
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